2009年12月24日木曜日

「非常勤職員の任期更新制度についての質問書」への回答

 前回8月の組合ニュースで、本学の非常勤職員の任期更新制度について、当局に文書で質問を行ったことをお伝えしましたが、9月29日、ようやくその一部について、口頭においてですが回答を得ることが出来ました。内容は以下の通りです。

1. 法人化以前から勤務している複数の嘱託職員について、労働条件通知書の但し書きで、非常勤職員就業規則の規程に関らず、更新回数について、平成16年度以前の条件を引き継ぐものとする旨の記載がされていることを確認していますが、これは法人化以前から勤務している嘱託職員全員について、同様であると理解してよろしいでしょうか。

⇒ 「その通り」
  • 法人化以前から引き続き嘱託職員である方については、任期の更新に制限が無いことが確認されました。法人化以前から嘱託職員であった方々には安心して働き続けてください。ただし、そのような場合でも、たとえば人件費の削減等を行うために「あなたの仕事はなくなってしまった」等の言い方で自発的な退職を迫るケースがあります。もし、そのようなことになった場合には、出来るだけ早く職員組合にご相談ください。

2. その場合、非常勤職員就業規則に附則等でその旨を記載するのが本来望ましいと思われますが、現時点において、そのような検討はなされていますでしょうか。

⇒ 明確な回答なし

3. 契約職員について、任期は最長10年とされているようですが、非常勤職員就業規則においてその身分等に関する記載が見当たらず、そのほかの規程でも契約職員の身分、待遇等を扱ったものを見つけることができませんでした。任期の問題も含め、契約職員に関し根拠となっている学内規程は何でしょうか。 

⇒ 「公立大学法人横浜市立大学契約職員雇用要綱」
  • 「公立大学法人横浜市立大学契約職員雇用要綱」記載項目
    「目的」、「評価」、「雇用期間」、「勤務日等」、「年次休暇の単位」、「時間外及び休日労働」、「報酬等」、「その他」
  • 質問にもあるように、契約職員に関しては、大学の憲法にあたる学則、個別の法律にあたる規程のいずれを見ても「契約職員」という言葉すら出てきません。これは、きわめておかしな話で、横浜市立大学という世界の中で、いわば法律上の根拠を持たない存在であるということになってしまいます。今回、その存在がようやく明らかになったこの「契約職員雇用要綱」なる文書には、誰が、いかなる権限、根拠に基づき、何時作成したものかも記されていません。いわば非公式のメモのような存在でしかなく、内容を変更したり、廃止したりするのに学則や規程とは異なり特段の手続きすら不要になってしまいます。ある身分を定め、人を雇用するという重大な問題について、このようなことをするのは、組織運営上普通は考えられないだけでなく、当然ながら現に契約職員として働いている人の身分をひどく不安定な状態で放置していることを意味しています。職員組合としても、今後も引き続きこの問題について取組を続けていきます。そして、この職員組合ニュースをご覧になっている契約職員の方々にお願いがあります。職員組合として、契約職員の方々の身分をより安定したものとするための取組を続けていきますが、現在、職員組合には契約職員の方が加入していません。組合員の中に該当する方がいない場合、組合員がいる場合に比べ、労働組合としての性格上、どうしても活動に限界が出てきてしまいます。あなた自身の雇用と労働環境を守るために職員組合に加入することを検討していただけないでしょうか。

4. 国立大学においては、複数の大学が雇い止めによる人的資源の喪失が教育研究、経営の能力低下につながることを懸念するなどして、雇い止めの撤廃、緩和などを行なっています。本学においては、現時点で、非常勤職員の雇い止めの撤廃や上限回数の緩和などは検討されていますでしょうか。

⇒ 検討していない
  • 組合としては、当然承服できない対応です。次に触れるように「非常勤職員の雇い止めに関する要求書」を当局に提出し、雇い止めを止めるよう要求を行いました。

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「非常勤職員の雇い止めに関する要求書」

 これまで何回か組合ニュースでもお伝えしたように、職員労働組合では非常勤職員の方々の雇い止め(嘱託職員の場合5年、契約職員の場合10年)に関する取組を行ってきましたが、12月16日(水)、職員労働組合新執行部の発足に伴う当局との顔合わせの席で、「非常勤職員の雇い止めに関する要求書」を提出、非常勤職員の雇い止め制度の廃止と廃止までの期間、希望する非常勤職員について雇用の継続を行うよう要求しました。今後、当局の回答を待って取組を継続していきます。また、非常勤職員で雇用の継続を希望されている方、特に今年度一杯で雇い止めの対象となっている方は出来きるだけ早く職員組合にご相談、ご加入ください。

 要求書の内容は以下の通りです。

2009年12月16日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 本多 常高 様
横浜市立大学職員労働組合
(横浜市従大学支部)
委員長 登坂 善四郎

非常勤職員の雇い止めに関する要求書

 市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

 大学における非常勤職員の雇い止め問題に関しては、ご承知のように、昨年度、マスコミに大きく取り上げられた京都大学を始め、本学に1年先んじて法人化された国立大学においてまず問題が表面化しました。多くの国立大学で教職員組合が雇い止めの撤廃などを求める運動を展開し、その過程において、雇い止めの対象になった非常勤職員の多くが、本来常勤職員が行う業務を人件費削減のために代わって担わされており、また、業務自体も継続性を持っていて当該非常勤職員の雇い止め後は別の非常勤職員が代わって雇用される状況にあることなどが明らかになりました。

 職員組合においても、組合員を始めとする本学の非常勤職員の勤務、雇用の実態を明らかにするために独自にアンケートを実施し、その結果、国立大学同様、本学においても多くの非常勤職員が常勤職員の業務を肩代わりしていること、回答者の全員が5年目(契約職員の場合は10年目)以降も雇用の継続を望んでいることが明らかになりました。また、本学特有の問題として、回答者の半数が、雇い止めに関して人事課や所属部署からの説明を受けておらず、手続き上問題があることも判明しています。

 国立大学においては、京都大学のように雇い止めを強行した大学もある一方で、多くの大学が、非常勤職員の多くが常勤職員の行うべき業務を担っており、雇い止めとした場合、各部署の機能の低下を招き、経営力、ひいては大学間競争力の低下につながりかねない状況を認め、雇い止め制度の撤廃や希望者の再雇用などを行っています。また、昨年度雇い止めを強行した京都大学においても、雇用期限を迎えた職員について同一業務が継続する場合、再応募が可能となるよう方針の転換が検討されています。

 本学においては、他大学では殆ど採用されていないにも拘らず常勤職員に対しても任期制が導入されており、職員のモラールなど多くの面で問題を生じているところであり、常勤、非常勤を問わず任期制を撤廃することが望ましいと考えますが、当面、非常勤職員に関しては以下の通り、その制度の改善を要求します。

要求事項
  1. 雇い止め制度を廃止すること。
  2. 雇い止め制度廃止までの間、希望する非常勤職員については、雇用の継続を行うこと。

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「懲戒処分の標準例に関する質問書」

 先般、学内に「懲戒処分の標準例」が公開されました。学則や規程ではなく、重要な文書という位置づけでもないので見過ごされた方もいるかもしれません。隅々までチェックされた方は殆どいないと思います。

 この文書自体は、法人の設置者である横浜市の「横浜市懲戒処分の標準例」をほぼそのまま流用したものですが、幾つか横浜市のものには含まれていない項目があります。このうち、標準例の一番初めにある項目、「信用失墜行為」は、二重の意味で非常に危険なものとなる可能性があります。

 第一に「信用失墜行為」という言葉自体はきわめて曖昧なものであり、何をもって「信用失墜行為」に該当するかの判断を、当局が恣意的に行うことが可能です。実際、この「信用失墜行為」という言葉は、単に組織の構成員が犯罪を行うなど組織の評判に傷を付ける行為をさすだけでなく、民間企業で社員が会社の問題点・不祥事などを社外で口にしたり、会社を批判したりするのを防ぐ目的でも使われています。その場合、事実その会社に問題があるか否かに関わらず、マイナスの情報を外部に流出させ、会社の評判に負の影響を与えたこと自体が処分の対象になるのです。そして自明のことですが、問題のある企業であるほど「信用失墜行為」という言葉で社員の言動をおさえようとするでしょう。

 さらに「信用失墜行為」という言葉は確認できた限りでは、国立大学の同種の文書では処分の対象としては挙げられていません。公立大学についても、本学同様、設置者の強い統制下に置かれている首都大学を見ても「信用失墜行為」を処分の理由とはしていません。横浜市からの派遣職員が主導権を握り、市の意向に沿って大学運営を行っている本学において、モデルとした横浜市の文書においても、他の国公立大学でもどうやら処分の理由としていない項目をわざわざ付け加えていることには何らかの特定の目的があると考えられます。

 また、第二に処分の範囲が戒告から懲戒解雇までの広範囲にわたっていることも問題です。どのような処分を課されるのかが不明なだけでなく、大学の教職員は懲戒解雇という重大なリスクにさらされることになるからです。

 このように二重の意味で「信用失墜行為」という項目は、教職員の正当で自由な言論まで圧迫する危険性があります。今回、まずその意図、内容の確認を行うために当局に質問書を送ることとしました。内容は以下の通りです。こちらについても、回答あり次第、内容を皆様にお知らせします。

2009年12月22日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 本多 常高 様
横浜市立大学職員労働組合
(横浜市従大学支部)
委員長 登坂 善四郎

懲戒処分の標準例に関する質問書

 市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

 先般、人事課より職員組合に対して“懲戒処分の標準例”なる文書が示されましたが、これについて、以下の通り質問します。なお、回答は1月22日(金)までに書面にて行うよう要求します。

  1. “懲戒処分の標準例”は、横浜市の“横浜市懲戒処分の標準例”をもとに作成されているようであるが、公立大学法人化された本学においては、地方自治体の一部局としてではなく、独立した高等教育研究機関である「大学」としての教育・研究・医療を基本とした経営が期待される。横浜市が本学を法人化したのもそのような公立大学法人制度の趣旨に則ったものと考えられるが、この標準例の作成に当たっては、そのような高等教育研究機関としての「大学」の特性、社会的責任等についてはどのように考慮されたのか。
  2. “横浜市懲戒処分の標準例”をそのまま転用したにもかかわらず、2(1)①~③のみは大学独自のものとして付け加えられており、さらに、この種のものは確認できた範囲において他の国公立大学の同種の文書にも含まれていない。これらの項目は、基準の適用を曖昧にするものとなっているが、どのような考えに基づき付加されたのか。
  3. 2(1)①の“信用失墜行為”とは、具体的に倫理規定違反以外にどのような行為を対象とするのか。また、それは誰が判断するのか。さらに“法人の運営に重大な支障”とは具体的にどのような状態を意味し、また、どのような手順を踏んで誰が判断するのか。
  4. 2(1)①の“信用失墜行為”に関する処分は、懲戒解雇から戒告まで、すなわち総ての処分が記されているが、具体的にどのような行為がどの処分に当たるのか、基準は何か。また、どのような手順を踏んで誰が判断するのか。

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職員組合新執行部発足

 先日、組合の執行委員選挙と役員の選出が行われ、新執行部が発足いたしましたのでご紹介します。

委員長 登坂 善四郎 医学情報センター
副委員長 三井 秀昭 医学部病態病理学
副委員長 出光 直樹 アドミッションズ・センター
書記長 菊池 芳明 経営企画室
執行委員 江崎 美千代 医学部組織学

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職員組合未加入の皆様へ

 横浜市立大学職員労働組合は、職員の雇用の確保と職場環境の改善を目指すと共に、個別の職員の雇用問題に関しても活動を続けていきます。職場環境の改善をより進めるためにも、あなた自身の雇用を守るためにも職員組合に加入してみませんか。加入してみようという方は、組合事務室までお問い合わせください。契約職員、嘱託職員、アルバイトの方も加入可能です。

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