2011年6月22日水曜日

夏季一時金について

 本年度の夏季一時金については、全職員を対象に2.5月以上、6月末支給とするよう当局に対して要求していましたが、先週6月15日、以下のとおり回答がありました。

回答:平成23年6月期期末手当及び勤勉手当については、期末手当1.25月、勤勉手当0.675月の合計1.925月を6月30日に支給することといたしたい。

 なお、本学の場合、支給の対象から契約職員は除かれています。この点については、かねてから契約職員の勤務実態に合わせた常勤職員としての位置付け、処遇を要求しているところであり、引き続き要求を続けていきます。

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人事給与システム問題、夏季の勤務体制・職場環境、ずらし勤務試行問題に関する協議要求

 本日、①組合費のチェックオフに関するミスの再発及びこれまでの組合員・非組合員を問わない給与支払ミスの発覚に鑑みての人事給与システムについての詳細な説明及び改善策、②基本的に節電の強化以外の対応が考えられていない本学の夏季の節電対応に関連して、職員の健康、安全の確保という観点からの夏季の職員の勤務体制、職場環境等、③あくまでも試行であるという説明に基づき、組合として付帯条件をつけて了解したはずの学務・教務課におけるずらし勤務の試行がなし崩しに継続されていること、という3点について、当局に対して協議を要求しました。

 要求書の本文は、以下の通りです。

2011年6月22日
公立大学法人 横浜市立大学
理事長 本多 常高 様
横浜市立大学職員労働組合・横浜市従大学支部
委員長・支部長 三井 秀昭

人事給与システム問題等に関する協議要求書

 市民から期待され信頼される大学教育と運営の確立に向け、日頃の取り組みへのご尽力に敬意を表します。

 さて、昨年度来継続している組合員の雇止め問題に加え、今般、以下の諸問題についても、職員の職域を代表する組合として協議を行うよう要求します。

1.昨年度、2度に渡って組合費のチェックオフの金額の大幅な間違いという問題が起こり、今年度もまた、同様のミスが発生した。これ以外にも長期間に及ぶ組合員の給与支給の間違いがあった他、非組合員においても給与・手当関係のミスが複数発生している模様である。職員組合としても、この問題についてはかねてから懸念を抱いており、昨年度の職場諸要求において「給与システム等人事システムの信頼性の確立について」として、項目を立て善処を求めてきたが、今般、昨年度同様のチェックオフのミスが繰り返されたことから、給与システムないし給与等に関する事務手続き、あるいはその両者に軽微でない問題が存在しているものと判断せざるを得ない。昨年度の職場諸要求で指摘したように、給与・手当等の正確な支払いは、教職員が安心して業務に取り組むための大前提であり、人事課内での業務処理の詳細について説明を行うとともに、改善策について組合と協議を行うよう求める。

2.夏季の節電への対応との関連において、一部私大においては前期授業期間の短縮、一斉休業の延長等の措置が行われる他、国立大学においても一斉休業の導入などの動きがある一方、本学では、冷房の順次停止等、通常の日程、勤務時間等を前提とした節電の強化以外の対応は想定されていない。首都圏のヒートアイランド環境下におけるこのような弥縫的な対応は、職員の健康、安全の確保という観点から不安を覚えるところであり、労働安全衛生法等関係法令への対応も含め、夏季の職員の勤務体制、職場環境等について協議を求める。

3.昨年度、横浜市役所における導入と軌を一にして、本学においても学務・教務課の窓口対応に関連してずらし勤務の試行が提案され、組合として検討の結果、試行であるからには期限を定めて実施すること、試行結果の検証に関しては、関連部署における匿名アンケート等を行うと共に詳細を学内に公表すること、正式導入については、過半数代表者及び職員の職域を代表する職員労働組合と協議、合意に達すること等の留意事項を付した上で了解した。しかしながら、横浜市におけるずらし勤務の試行が、期限を切った上で実施、検証と労働組合との協議を行っている一方で、本学における「試行」は、組合の付した留意事項にも拘らず、なし崩しに延長され9カ月に及ぼうとしている。昨年度の職員組合の回答書に付した留意事項に誠実に対応するとともに、職員組合と改めて協議を行うよう求める。

 以上

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職場集会開催のお知らせ

 第2回の職場集会を以下の日時で開催しますので、お知らせします。

八景キャンパス: 7月20日(水) 12:05~12:55
 (本校舎1階 職員組合事務室の隣の組合会議室)

福浦キャンパス: 7月21日(木) 12:05~12:55
 (医学研究棟2階 A209号室)

 今回は、節電への対応と関連して、関係法令、他大学の事例などを紹介しつつ、夏季の勤務態勢や労働環境、健康管理などについて情報や意見の交換をしたいと考えています。非組合員の方の参加も歓迎します。飛び入り参加も可能ですが、7月15日(金)までに参加の申込をいただいた方には、組合でお弁当を用意します。事前申込は、ycu.staff.union(アット)gmail.com までお願いします。

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新設学部の動向と黒船の襲来?

この半年ほど色々な意味で余裕がありません。組合の活動も、少なくとも公開版の方のニュースには書けない、書きにくい問題に追われています。

 最近の話題としては、学内の方は既にご承知のように、先月、横浜市大に関する強烈な告発本『キャリア妨害』が出版されました。書評でも書こうかと思ったのですが、同じように民間から(他大学経由ですが)、それも同時期に市大に移ってきて似たような経験を山のように味わった身としては、自分の経験だけでお腹一杯でこれ以上は勘弁してくれという感じで、半分ほど読んだところでギブアップしてしまいました。そういうわけで、ご関心の向きには、本学教員組合のニュースか、アマゾンのカスタマーレビューをご参照ください。

 では、そろそろ本題に入りたいと思います。

 今春も多くの大学、学部、学科が新設されました。また、来年度新設予定の大学等の認可申請や届け出も発表されています。さて、では以下のうち、実際に今春開設した、あるいは来春開設が予定されている学部はどれでしょうか?

現代食文化学部
スポーツプロモーション学部
モチベーション行動科学部
ホワイト・カラー学部
英語キャリア学部

 関心のある方には、詳細はご自分で検索していただくとして、実は一つを除いて、残りは総て実際に開設されたか、来年度開設が予定されている学部です(残り一つは、出来が良すぎて逆に笑えないエープリルフールネタでした)。新しいニーズに応えようとしているのか、生き残りをかけてニッチを狙っているのか、いずれにせよ、これらの学部を開設した、あるいはしようとしている大学が真剣な検討の末に決定したものであることは間違いないでしょう。

 ただ、こういった学部名を目にすると、「学士教育課程段階」における「学部という単位」での教育の目的や教育課程の在り方についての認識が恐ろしく多様化していることを改めて思い知らされると同時に、それが予定調和的に「大学の機能別分化」という言葉できれいに収斂していくものなのか、先行きの不透明さを感じてしまいます。単に、護送船団方式はよろしくないから止める、あるいはこれまでの顧客層が減少した、あるいは社会からの要求が変化した、あるいは国際的な競争を本格的に迫られるようになった、あるいは国立・私学間の格差が云々等々、いずれか一つであれば、問題はそうややこしいものではなかったのかもしれません。しかし、場合によっては相矛盾するような多数の問題が一度に押し寄せた結果、問題はゴルディアスの結び目と化し、その一つの現れとして、このような新しい学部学科が次々と生み出されることとなりました。

 そして、先月、アレキサンダーの剣となるかどうかはともかくとして、また新たな動きがありました。

 学生募集を停止して、このまま消えていくと思われた聖トマス大学(旧英知大学)が、アメリカに本拠を置く国際的な大学支援企業「ローリエイト・エデュケーション」の傘下に入って、文部科学省に新たな学部の設置を申請しました。ただし、現段階では、新学部の名称(国際教養学部、健康科学部)しか分からず、大学のホームページにもそれ以上の情報はありません。わずかに、日経ビジネスの最新号(6月20日号)にローリエイトから就任した聖トマス大学運営法人の理事長のインタビューが掲載されている位です。

 ご存知のように、かつてバブル期に進出してきたアメリカの大学の日本校の大半が、満足に学生を集められないままに撤退していきました。管見の限りでは、どうもアメリカの本校と比べて教育課程や教員が?という例も多かったようにも思いますが、一般的には不振の原因としてよく指摘されるのは、そもそも日本の学校教育法上の大学としての認可を受けていないため、国内では大学として扱われない存在だったという点です。そういえば、アメリカ大学日本校の数少ない生き残りであるテンプル大学ジャパンキャンパスが本学の前学長を迎え入れたのは、日本の学校教育法上の大学としての認可を得るための申請を担当させるためだった、とどこかで聞いたことがあります。真偽のほどは不明ですが。

 今回のローリエイトの動きがどこまで本腰を入れたものなのかは、まだ良く分かりません。しかし、経営不振の私学の買収や経営参加という新しい形での国内進出が、今後、他にも出てくる可能性はあるでしょう。国立大学法人や公立大学法人も対象になるかもしれません。ともあれ、この方法を使えば、とりあえずバブル期のアメリカ大学日本校のような意味での問題点―日本国内では法的には大学として扱われない―はクリアできます。後は、教育プログラムと教員がどうか、学費がどの程度になるかといったあたりが当面の問題でしょうか。学部名称だけでは国内大学の流行と選ぶ所のない聖トマス大のケースですが、どういったプログラムが、どのような教員によって担われるのか、そしてそれが日本人の受験生、父母にどう受け止められるのか、注視する必要がありそうです。
(菊池 芳明)

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