2015年11月5日木曜日

第6回 「大学職員としての能力向上とネットワーク - 学会、研究会、社会人大学院 -」 のご案内

職員組合主催「大学職員基礎講座 -大学と社会に貢献できるプロフェッショナルとなるために-」の第6回 「大学職員としての能力向上とネットワーク - 学会、研究会、社会人大学院 -」開催について、ご案内します。

この連続講座は、最初の案内にも書いたように横浜市立大学における「職員研修の大学職員の固有性に係る領域の欠如」を補う目的で企画したものですが、職員がその業務に係る知識、能力を向上させるための場は別に自大学内に限られるわけではなく、最近は学外にも多くの機会と場が存在しています。

例えば、法人化後の初代理事長予定者であった孫副氏が初代会長を務めた職員が中心の大学行政管理学会、30 年以上の歴史を持つこれまた職員が中心となった高等教育問題研究会(FMICS)、桜美林大学 大学アドミニストレーション研究科を始めとする大学職員の養成・高度化を目的とする大学院、更にはこれらの大学院やセンター(e.g. 筑波大学 大学研究センター)などにより提供されている非正規プログラムなどです。

学内における人材育成システムは、個別大学の経営方針や経営能力に左右されざるを得ませんが、これら学外での機会はどの大学の職員にも広く開かれているもので、所属大学による学習機会の差は(個別大学の学内人材養成システムの差よりは)大きくはありません。

今回は、これら大学職員の知識、能力向上のための組織団体、教育プログラムについて紹介します。

11月18日(水) 12:15~12:45
金沢八景キャンパス 職員組合事務室

11月25日(水) 12:15~12:45
福浦キャンパス A104教室



* 資料準備の都合上、開催日の前々日までに ycu.staff.union(アット)gmail.com までお申し込みください。

* 事前にお申し込みいただいた方には、組合員・非組合員に関わらず組合でお弁当を用意します。

* 組合事務室は9月16日から本校舎の西側に移転しています。詳しくは http://ycu-union.blogspot.jp/2015/09/916.html をご覧ください。

* 福浦キャンパスの会場が同じ場所がなかなかとれず毎回違っています。 ご注意ください。

* 組合員以外の方は、資料代として50円ご用意ください。


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ドラッカー 『マネジメント』より

悪い組織の症状

「まず第1に、頻繁に見られる症状は、マネジメント階層の増加である。(中略)階層の増加は、組織内の相互理解と共同歩調を困難にする。目標を混乱させ、間違った方向に注意を向けさせる。数理的な情報理論によれば、一つの中継点の追加によって、伝達される情報は半減し、雑音は倍増する。」

「第2に多くみられる症状は、組織構造に関わる問題が頻繁に発生することである。(中略)典型がメーカーにおける製品開発活動である。マーケティング部門は、それが自分たちの仕事だとする。研究開発部門も自分たちの仕事だとする。(中略)同一の問題が何度も起こるのは、典型的職能や「ラインとスタッフ」などの昔ながらの組織論を考えもなしに使うからである。(中略)繰り返し出てくる組織構造上の問題を、紙の上で、小さな箱の絵を機械的に動かすことによって解決しようとしてはならない」

「第3に、同じように多く見られる危険な症状が、要となる者の注意を重要でない問題や的外れの問題に向けさせることである。(中略)縄張り争いはもちろん、態度、礼儀、手続きに関心を向けさせるようでは、人は間違った方向へ進む。」

「あまりに大勢の人間を集める会議を開かざるを得なくなることである。これが第4の症状である。(中略)トップマネジメントの数人は別として、マネジメントの人間の多くが、自らの時間の4分の1近くを会議に使うようでは、組織構造が悪いというべきである。会議が多すぎるということは、仕事の分析が十分でなく、仕事の大きさが十分大きくなく、仕事が真に責任を伴うものになっていないことを表している。」

「第5に、組織の間違いは、調整役や補佐役など実際の仕事をしない人たちを必要とするようになることに現れる。活動や仕事が細分化されすぎている証拠である。あるいは、活動や仕事が明確な単一の成果に焦点を合わされることなく、あまりにいろいろなことを期待されている証拠である。」

慢性病

「今日多くの組織、特に大企業が組織病という病いにかかっている。組織中で組織構造を気にしている。常にどこかで組織改革を行っている。(中略)次から次へと組織改革が試みられる。(中略)これもまた悪い組織の典型である。組織病は、組織構造の基本をおろそかにしたときに発症する。(中略)組織改革は気軽に行ってはならない。組織改革は、いわば手術である。たとえ小さなものであっても、手術には危険が伴う。安易な組織改革は退けなければならない。」

ドラッカー,『マネジメント(中)』, 上田惇生訳, ダイヤモンド社, 2008 年, P236-242


  • 原著は 1973 年出版。古典は大事、というべきか、それとも原理、原則は大事というべきか(そして滅多に守られない)。

  • 企業組織を念頭にしたものなので、大学、特に教員組織にそのまま適用するのは間違いのもと、服用注意。事務局、あるいは経営陣と事務局を対象とする場合は有用。ただし、もっと初歩的なレベルでの問題として説明可能な場合も多い。
(菊池 芳明)

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