2017年12月19日火曜日

職員労働組合・横浜市従大学支部 2017-18年度 活動方針

12月15日、職員組合および横浜市従業員労働組合大学支部の今年度の大会を開催し、「働きやすい職場環境の確保への取り組み」等の7項目の活動方針について承認されました。財政状況の悪化等に伴い、一般教職員や学生を巡る状況は、今後さらに厳しさを増していくと予想されます。活動方針に基づき、労働組合としての社会的責務を果たしていきます。


職員労働組合・横浜市従大学支部 2017-18年度 活動方針


1.働きやすい職場環境の確保への取り組み

社会環境の激変とそれに伴う大学への要求の多様化、公的助成の削減など日本の大学を巡る環境は年々厳しさを増しています。特に横浜市立大学においては、前市長の下における法人化決定以降、全員任期制の導入、国立大学の比ではない大幅な経費の削減、市OB・市派遣幹部職員への経営権の集中による非効率な業務の増加と現場負担の増大など、国立大学法人、多くの公立大学法人に比べ非常に不安定な経営環境下に置かれることになりました。労働契約法の改正と法人化以降の取り組みの結果、固有常勤職員の任期制は廃止されたものの、それのみで固有常勤職員をめぐる諸問題が解決されたわけではなく、人材育成、人事評価、労働時間等の職場環境に関する多くの問題が残されています。また、財政の膨張を支えていた附属病院経営の悪化と今期中期計画における経営拡大方針により法人の財務状況は急速に悪化しつつあり、固有常勤職員の給与体系の変更や教員に対する給与・賞与・退職金の削減提案など、そのしわ寄せが早くも人件費に及びつつあります。雇用契約法改正による非常勤職員の限定正規職員への移行に関しても、給与の改善は伴わないままの責任と負担のみの増が懸念され、また、本当に基本的にすべての非常勤職員が以降の対象になるのかどうかについても疑念が生じています。過去の若年層に極端に偏った固有常勤職員採用と「法人財政の厳しさ」を謳いながら同時に行われている近年の経営拡大という構造的要因により、今後、法人の経営はさらに悪化することが予想されます。組合の警告に耳を傾けることなく実施されたこれらの施策のつけを、経営責任を問うことなく一般教職員、そして学生に転嫁することは容認できるものではありません。大学に働く職員の職域を代表する労働組合としてこれらの問題に取り組み、法人化時の「固有職員の処遇は市職員に準じる」という労使合意を遵守させるとともに、職員の労働環境の改善、安心して働ける職場の確保に全力を挙げます。


2.組織拡大への取り組み

法人化以降、市派遣職員の引き上げ・退職に伴う組合員の減少が続いていましたが、常勤・非常勤の固有職員の加入により減少に歯止めがかかりそうな様子も見えてきました。とは言うものの、大学にとどまっている市派遣職員は漸次退職を迎え、固有職員の組合員については、常勤職員、非常勤職員とも様々な問題を抱え、かつ多忙化により目前の業務以外に目を向けるゆとりさえ失いつつある状況で組合の維持・拡大は依然として容易ではない状況です。組合ニュース【公開版】を通じた情報提供、問題提起等によりプロパー職員の組合に対する信頼・期待は高まっていますが、これを新規組合員の獲得・組織の拡大へとつなげていく必要があります。特に、近年は新規職員の一括採用が無くなり、これに合わせて実施していた広報・勧誘活動も行われない状態が続いているため、これらの取り組みの立て直しを図ります。また、職場集会、学習会などを通じてずらし勤務の試行導入や業務の多忙化で難しくなっている組合員相互の交流を確保・促進し、組合の基盤を強固なものとします。         


3.常勤固有職員の給与体系変更、人事考課制度変更問題への取り組み

昨年度来、交渉を行ってきたこれらの問題については8月、9月に相次いで大枠で合意しました。しかし、制度の具体的設計、運用等に関しては懸念すべき点が残っており、現在も人事考課に関する異議申し立て制度の改善について交渉を行っているところです。合意時に一定期間経過後の検証についても確認しており、引き続き制度化と運用について注視して行きます。


4.嘱託職員、契約職員の限定正規職員化に伴う問題への取り組み

雇用契約法改正による非常勤職員の限定正規職員への移行に関しては、7月に大枠に関して合意しましたが、本学嘱託職員と横浜市嘱託職員で月額4万円以上に格差が拡大した給与についての改善は実現しませんでした。それにもかかわらず、正規職員化に伴い責任と負担のみの増が懸念される状況で、すでに非正規職員の限定正規職員化に伴う各部署における業務と人員配置の見直しが開始されています。これに関連して、本当に基本的にすべての非常勤職員が以降の対象になるのかどうかについても疑念が生じています。希望するすべての非常勤職員の限定正規職員への移行と常勤職員と同様の研修機会の確保を図るとともに、来年度以降の横浜市嘱託職員並みの給与の獲得を目指して取り組みを継続します。


5.大学専門職の雇用問題への取り組み

大学専門職制度は、国内の大学関係者等の大学職員の高度化への要請に対する先進的取り組みとして導入されたものでしたが、法人化直後から大学の経営権を事実上掌握した市派遣幹部職員によって、その趣旨を無視した制度運用が行われ、告発本の出版など様々な問題が起こってきました。組合執行委員でもある大学専門職2名についても3年ごとの契約更新の度に様々な問題に見舞われ、今年末の契約更新に際しては、「学務教授」への変更について、教員、固有職員、横浜市職員に比して著しく均衡を逸した実現困難な基準を一方的に示すなど、職員の高度化や専門化とは相反する人事政策上の動きが続いています。高度専門職としての適正な処遇を求め、今後も取り組みを継続します。


6.コンプライアンスに基づく労使関係確立への取り組み

度重なる交渉や組合ニュース【公開版】等を通じた指摘がある程度の影響を及ぼした模様で、法人化後の数年間の状況に比べれば担当者レベルでの対応に関してはある程度の改善が認められるものの、法人化後、事実上人事権等を掌握する市派遣幹部職員の労働3法、労働契約法を始めとする関係法令、制度等への知識・認識の不足が本学の労使関係の底流を流れており、それが人事制度、制度運用、個別の雇用関係トラブルに大きく影響を与えています。ただし、昨年度、政府の労働政策上の修正を反映したものと思われる労働基準監督署からの厳しい指導があり、法人としても組合との関係も含め法令順守の姿勢を示さざるを得ない環境下に置かれています。これも追い風として関係法令及びそこで保障された労働者・労働組合の権利の尊重に基づく労使関係の確立を求め取り組みを続けます。


7.横浜市従本部、教員組合等との連携

本学の労働環境は、法人プロパー教職員にとって非常に厳しい状態が続いています。横浜市従本部、教員組合や病院組合等との連携を深めつつ、山積する問題に取り組んでいきます。



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